一日警察署長

私が授業のために某駅へ降りると、何やら人が集まっているではないか。
授業まではまだ少し時間があるので、人の群れに混ざってちょっと様子を見てみた。
どうやら交通安全のパレードがあるらしい。
だがそれだけのことででこの人ごみとは思えない。
望遠レンズを付きのカメラを片手に待ち構えている人もいる。
一体何事であろうか。


そばで騒いでいるおばちゃまたちの言葉に耳を傾けていると、なんと一日警察署長としてあの香田晋がやってくるそうではないか。
何という幸運!いや、それほどのものではないかもしれない。
程なくしてパレードが現れた。
先頭のパトカーから彼が降りてきた。
我々のいる方へ近づいてくる。
ああ。本物だ。
私は持っていた携帯で彼の姿を納めることに成功した。
それがこちらである。隣にいるのは市長である 。こちらはどうでもいい。
私はその後彼から交通安全グッズを貰い受けると同時に握手もしてしまった。
そしてパレード隊を引き連れて彼は去っていった。


その時の事をまた親に話してみると
「何だ、もう少しマシな人呼べばいいのにねえ」
贅沢を言うものである。
私は香田晋でも十分満足した。
これで私が今までに出会った芸能人は、久元雅美の妹、明石家さんま、そして香田晋の3人になった。


田舎者が芸能人に遭遇する機会など滅多にない。
さて、次はどなたが私の前に現れてくれるのであろうか。
楽しみである。