トヨタカップの課題

トヨタカップサンパウロの優勝という形で幕を閉じました。
さて、ここいらでこの大会についてちょっと考えてみよう。


昨年までは欧州と南米のクラブチームの対決で世界一を決めていました。
今年からは各大陸の王者が集い「真の世界一」を決めるに相応しい大会となりましたが・・・。


色々と問題点はあります。
その中でもさまざまな問題を包括して結果として現れたのが観客動員数ではないかと。
決勝以外の5試合は空席も目立ちスタジアムはガラガラ。
欧州、南米のチームは世界的にも有名で、日本でもある程度知名度はあります。
しかし、その他のチームはというとどうでしょう。
よっぽど詳しい人でないと知らないんじゃないでしょうか。
南米と欧州王者に比べて知名度が低すぎる&レベルが違いすぎるわけです。
これだと観客も入らなくて当然ではないでしょうか。
5位決定戦などは特にそうです。
5位、ってなんの5位かと言うと「地球5位」なんですよね。
「地球5位」のチームを決める試合にしてはあまりに低調な試合ではなかったでしょうか?
しかもどの試合でもチケット代は7000円。
この時期にこの時間は非常に冷え込みます。
その上7000円も払ってまで、全然知らないチーム同士の、しかも低レベルな試合を見たいと思う人がいるとは思えませんよね。
今大会ではシドニーFCにカズがいるということで、わざわざ会場に足を運んだ人はそれなりにいるのでしょう。
それでも空席が目立つこの状況。
来年以降豪州はアジア枠に組み込まれるということですし、そうなるとオセアニア勢のチームなどはますますレベルが下がり、客離れが進んじゃいます。
それと、日本での開催にもかかわらず開催国の枠がないということ。
「地球一のクラブを決める」大会に、開催国枠を作るのはいかがなものかと言う声もありますが、興行的な側面から見れば仕方のないことだと思います。
日本のチームが出場しないとやはり日本人は大会に興味をもてないでしょう。
「地球一を決める」と銘打ったから、その理念に乗っ取った大会を開催する、というのは当然の事ですがそれだけではファンはついてきません。
特に日本のファンは目が肥えていますから。
もう少し大会のレベルを底上げしなければ成功しないでしょう。


他に問題点を挙げるとすれば、各チームの不平等さ。
例えば、今大会では欧州、南米のチームにその他のチームが挑戦する形でしたが、この形式だとどうしてもチャレンジャー側が不利になってしまいます。
試合日程の面から見てもチャレンジャー側は中二日で試合を組まされますし、カードの累積などでも不利です。
元々不利なチャレンジャー側が更に不利になる状況ってまずくないですかね?
それと、南米王者は出場権を得るのに14試合を消化してきてるのに、北中米カリブ王者は6試合しかやってないんですよねえ。
各大陸から等しく1チームずつ、というのはやはり不平等なのでは?
だってW杯とかは、その地域の国の数で出場枠も変わってくるわけでしょ?
とてもフェアとはいえないですよね。


今回は「第一回大会」ということですし、色々な矛盾点、問題点が出てくるのはしょうがない事。
それらをどう活かし、どう改善していくのかがこれからの課題でしょう。
「今までのトヨタカップの方が面白かった」って言われないようにして欲しいものですね。
そして、「開催国枠」なんて無くても日本のチームが本選に勝ち進んでくれる事を期待します!