筒井康隆

の「家族八景」を読みました。
人の心を覗ける能力を持つ七瀬が家政婦として様々な家々を転々とし、その家庭の心のそっと覗き家庭の虚偽を抉り出していく――――そんな内容です。
これが中々面白い。
表題の通り七瀬は八つの家庭(職場)を渡り歩いていくのですが、それぞれが多種多様の心の内を持ち、その内面をひた隠し家庭としての均衡を保っている。
そんな危うい均衡に七瀬がちょっと触れるだけでいとも簡単に崩壊していく、その有様が何とも皮肉で面白く描かれていました。
七瀬が読み取る心の内が登場人物の心理描写も兼ねていて、よくできてるなあと思いましたね。
これは結構オススメ。


ドグラマグラは3分の1ほど。
圧倒されっぱなし。
さすが日本三大奇書