皇太子様

私は皇室関係者に対しては、特に興味を持っておらず、また尊敬の念を抱いているわけでもなかった。
あの人たちは何をしているわけでもなく、ただのんびりと、安全な場所で暮らしているだけ。
完全に我々とは住む世界が違うと思っていた。
もちろん、あの人たちはそれぞれ様々な仕事を持っており、のんびりとしているわけでもないので、私にそんなことを言われる義理はない。
それは私も本当はわかっている。
なのに私はいまいち彼らの事が好きになれなかった。


自分の意見を言う事もせず、いつも同じような笑顔で、何か語るときでも原稿を読んでいるかのような無機質な声。


どうも彼らの事が好きになれなかった。


しかし、先日皇太子様が記者会見で語ったことには少し感動した。
皇太子様は記者会見で
「雅子のキャリアや人格を否定する動きがあったことは事実です」と語ったのだ。
驚いた。
私の皇室のイメージは規則、規律、伝統にがっちり縛られ、自分というものを出すのはいけない、そんな堅苦しいイメージであった。
皇室全体としての意志の中に個人の意志が埋没してしまっているものだと思っていた。
それが違ったのだ。
愛する妻のため、皇太子様は自らの意志で、自らの言葉で、皇室批判ともいえることを語ったのだ。


かっこよかった。男らしかった。
私は皇太子様の事を見直してしまった。


思えば皇室に外から嫁いできた雅子様の苦労というものは、それは想像するにあまりあるものだろう。
皇太子という地位を離れ、雅子様の夫として、素直に思うままに彼女をかばう発言をしたのだ。
かっこよかった。


今後も2人には様々な障害や苦労があるだろう。
しかし、2人にはそれを乗り越えられるとても強い絆があるのだ。それを今回見せてくれた。
一平民にこんなことを言われるとは皇太子様も思いもしないだろう。
だがあえて言わせてもらいたい。
皇太子様、雅子様、これからも頑張ってください。
将来の天皇陛下として期待してますから。