昭和屋

居酒屋で酒を少々嗜んだ。
その居酒屋は「昭和屋」というのだがちょっと変わったお店で、その名の通り昭和時代の雰囲気を出したレトロなお店なのだ。
まず店に入ると会計カウンターがあるのだが、これがお祭りの屋台のようになっていて、まわりにはお面だとか駄菓子だとか、そういったものが飾ってある。
お面は売り物ではないのだが、駄菓子やメンコなどは一つ2,30円程度で売られていた。
店内のいたるところには古いポスターや家具、時計、アンティークなどが置かれており、雰囲気づくりには随分こだわっていて面白かった。


店の中には居酒屋、炙り焼き、鉄板焼きの3つの部署があり、私達は炙り焼きのところに案内された。
そこは昭和の学校の教室をイメージした部屋で、ソ連が載っている世界地図が貼られていたり、黒板があったり、書初めが並んでいたりした。
メニューもこれまた昭和風で、昭和風コクテール(カクテル)やおたふくソース焼きそばチキンラーメンまでもがあり驚かされた。
私は昭和風コクテールの「風鈴」というのを注文したのだがこれがとても変わった飲み物で、サイダーが並々注がれたグラスの中に淡い水色の丸い氷が浮かんでいた。
どうやら氷にアルコールが含まれているようで、氷が溶け出すにつれてアルコールも溶け出してくるようになっているのだ。
他にも「金魚」というのがあり、こちらは日本酒のお湯割りに唐辛子としその葉を浮かせ、それを金魚と水藻に見立てているものだった。
何とも面白い。いいお店だ。


と言いたいところだが、如何せん店員の対応が悪い。
態度が悪いわけではなく、呼び出しボタンを押しても中々来ないわ、注文した物もいつまでたっても出てこないわ、品切れメニューは多すぎるわ、で満足度はそんなに高くなかった。
その辺を改善しないとリピーターは増えないぞ。
このままだとちょっと長続きするのは難しいかな、と思う。
コンセプトは面白いし料理の質もそんなに悪くないので、余計そこのところがもったいなく思えた。
がんばれ昭和屋。